外壁素材を検討中。
信州で木の外壁と言えば、カラマツ。強度もあり長持ちし、赤みがかった材でゆくゆくグレーになっていきます。下の写真は、ソマミチでご一緒している山の辺建築設計事務所・宮坂さんの自邸。
ルーバー状の外壁は、竣工時に見学したときはかなり赤みがありました。数年たって、少し色が淡くなってきていますね。
また、杉を焼いた「焼杉」を聞いたことがあるかもしれません。柔らかい材である杉の表面を焼いて炭化させ、耐久性をアップさせたものです。
(画像はこちらからお借りしました。最近ちょっとブームなのか、焼杉屋さんもずいぶんあるのですね)建築勉強していたころに三角焼きをしましたし、バーナーで焼くのに参加させてもらったこともあります。焼くの、楽しいんですよ~。
じゃあ、カラマツを杉みたいに焼いたらどうなる…?
そもそも、カラマツはスギより強度があるので不要?
カラマツは脂が多いから燃え上がる?
逆になかなか焼けなくて、炭化層が厚くならないので意味がない?
…いやいや、意味のある事ばかりやるのが、人生ではないでしょう。 (←意味があることもしないさいよ、自分)
ということで、カラマツ焼いてみました!
まず、カラマツの板材を、山川草木の香山さんからもらってきます。
写真は香山さんの隠し材木置き場。材は、台風で倒れた95年ものの荒山林業さんのカラマツで、超貴重な材です。
道具は、家庭用のトーチバーナー。動画とってみました!
表面の油がチリチリっとなって焼けていきます。
家庭用のトーチバーナーなのでしかたない面もありますが、なかなか焼き色がつきません。カラマツは杉より耐久性がある、というのを実感しました。焼杉の場合、ウロコと呼ばれる表面の炭化層を、かなり厚く焼く必要があります(前出の焼杉写真参照)。焼き目をつけた、というくらいではあまり意味がありません。
このくらいまでなんとか焼きました。
一言でいうと、脂がのっておいしそう!わさび醤油が合いそうです。 そしていい香り……。つい深呼吸。
Before-Afterで並べてみました。写真では分かりにくいですが、つやっとしていい質感です!実際のときはガスのバーナーで、これよりよく焼ける…といいのですが。
ちなみに外壁はDIYの予定。 どんな仕様にするか、塗装なども含め検討中ですが、焼く時の香りと焦げ目に胸ときめいてしまったので、できたら焼き工程を入れられたらいいなあ。
ご興味ある方は、ぜひ焼きに&張りにきてくださいね!
日本の山に目を移せば、戦後に植えられた人工林の多くが切り時を迎えていて、日本の木材の生育量は、毎年約1億㎥ずつ増えています。使用量を増やすことを考えれば、住宅以外の使い方も必要ですが(CLTという集成材で公共建築をつくるとか)、住宅でももっと木を活かすことができるのではないかと思います。
例えば外壁。
使用量という意味では多くはないですが、木張りの外壁が普通になれば、日本の街並みは、きっと変わるはず。塗装などのメンテナンスも自分でしやすいし、部分的な交換も可能(例えば窓を交換するときに、窓周りだけ外せる)。そしてなにより、工業製品にはない質感。暮らしに近い住宅に、どれもフィットする特徴です。
ソマミチのメンバーも取り組みを進めています。
林友ハウス工業さんのT&Tパネル
クラシック一級建築士事務所山本さんが湘南ですすめるKIBARIの家
サイディングと言えば、木!の時代はきっともうすぐです。
自分から育ってくれて、
まっすぐで使いやすくて、
植えればまた育つ。
人間は、木と生きるようにできている、と思うのです。
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