前回に引き続いて、丹田が強くなる日本の生活様式について書いてみます。
年末の市民タイムスの記事に、木曽町の新しい木造の庁舎を、職員の方が大掃除で雑巾がけをしている写真が掲載されておりましたが、実はこの雑巾がけが丹田強化にすこぶる効果があるのです。
暮らしが洋式化している現在は、腰を落としてかがむことが極端に少なくなりました。トイレは和式から洋式へ、布団からベッドへ、座布団から椅子へ。それにより、足首や膝、股関節を動かすことが極端に減って脚の巡りが悪くなり、関節が硬くなってしまい、結果、ふとした動きで痛めやすくなるのです。
大事なのは普段から意識して関節を動かしておくことです。
時間に余裕のある年配の方は、軽い運動から始めてくだされば大丈夫です。痛みが和らいできたら、時々家事に取り入れてみてください。家がきれいになって気持ちもよくなり、一石二鳥です。
そして、掃除が丹田強化にいい二つ目の理由がここにあります。
それは「身を置く環境が美しくなる」ということ。人は周囲の環境にとても影響を受けます。
ニューヨーク市で落書きを一掃したら犯罪が減ったという実例は良く知られていますが、みなさんも散らかった部屋にいるとイライラしたり余計な思考が湧いて集中できないといったような経験はありませんか?
私も社長業が始まり、家事が疎かになった時期は家の雑然さにとてもイライラした記憶があります。今も平日にはなかなか掃除まではできませんが、週末にその時間が取れるようになって部屋の中がきれいになったことで、とても心が穏やかになる実感を得ています。
周りが整ってくることで、自身も整ってくるのでしょう。それはつまり体が整うことに繋がり、巡りが良くなって、丹田にエネルギーが集まるようになるのです。
私たちの身体は「小宇宙」とも言われるように、自然と同じ現象が起きる相似形となっています。例えばこの「体の巡り」は、自然界の「水の流れ」~太陽に温められて水蒸気となって雲を形成し、雨となって地上に降ってくる~と同じように、丹田のエネルギーが腎臓で冷やされて頭に上がり、それが心臓に降りて温められ再び丹田に集まる、という巡りと相似形なのです。
体が整ってくると、この本来の巡りが良くなり、結果、「頭寒足熱」――頭が冴えて、下半身が温かいという、すこぶる免疫力も高い状態になってくれるのです。
いやはや、みなさん掃除がしたくなってきませんか?
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