ハーブ王子と聞いてどんな方をイメージしますか?私はテレビのない生活なので、王子の存在を知らなかったのですが、松本に来られると聞いて公式HPをチェック。植物好きのチャラいお兄さんかと思いきや、筋金入りの専門家。幼少期からお母様の影響で生け花をたしなみ、お爺様とガーデニングを楽しむ中で特に日本の植物を好むようになったそうです。また、お父様は登山家。その影響で山野草にも惹かれていったとか。ある意味英才教育ですよね。肩書は、和ハーブアドバイザー、山菜知識者、野草生花師、野草造園師等様々ですが、作られた植物ではなく、野に咲くものたちを愛していらっしゃるようです。
そのハーブ王子こと山下智道さんが美鈴湖もりの国キャンプ場で野草講座を開催してくださいました。見た目スッキリ男前な山下さん、それだけでもたくさんのファンが付きそうですが、この方、お人柄もピカイチでした。礼儀正しくあらゆる方への配慮を忘れず、植物への愛は人々にも同じように向けられていて、私もすっかりファンになりました。山下さんのように、子どもたちが好きなことを極め、オンリーワンな存在になり、自己愛が他者をも包み込めるようになる、そんな人が育つ環境を是非とも実現したいと思いました。
さて、講座開始。予定していたコースはキャンプ場周囲を歩いて1㎞ほどの距離。なのにスタート地点から一向に歩みを進めることなく、結局のところ2時間で50mしか移動しませんでした。何故かわかりますか?私たちには「雑草」にしか見えないものが、山下さんにとってはほとんどが「ハーブ」。つまり薬効があったり食用にできる有用植物なのです。緑の葉っぱをつけた草としか説明しようがない植物を、その特徴を説明しながら次々と見分けていくハーブ王子。その知識たるやとんでもなく深いものでした。もちろん本を読んだだけの知識ではなく、体験談を織り交ぜたお話は非常に興味を惹き、ぐいぐいと王子の野草ワールドに引き込まれていきました。暮らしにつながらない知識だけでは結局聞いて終わってしまいますが、彼の魅力はこうした身近な植物を暮らしに取り入れ、美しく健康な生活、そして今の時代に必要なサバイバルにも活かしていこうという提案をしていること。
民間療法として、戦前まではどの集落にも薬草に詳しいばあちゃんが処方してくれたようですが、時代は下り、今はこんな素敵な若者が伝えてくれるんですね。またお呼びしたいです。
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